【ネタバレ全開】 Star Trek: Discovery Season 2、総合レビュー (by懐古厨)

『スタートレック: ディスカバリー』のシーズン2が終わりましたので、総合レビューに仕立て直しました。過去キャラ、スターフリートの世界観が戻ってきて、シーズン1でしょぼーんとなった懐古厨にとっては大歓喜の仕上がりでした。

過去作、本作のネタバレを含みますので、ご注意ください。

Star Trek: Discovery | Season 2 Trailer [HD] | Netflix

今シーズン、私が楽しみにしていたのは、Mr.スポックの登場!

これまでひた隠しにしてきた妹マイケルとどう絡んでいくのか、興味深々でした。最終話で見事その謎が解けました。

正史との齟齬を解消するためのシリーズ

シーズン2を振り返ると、シーズン1でめちゃくちゃにしたスタートレックの正史を軌道に戻す為に存在した気がします。

個人的には『ディスカバリー』が過去作の設定を無視してストーリーを作ることは好きではなかったものの、スタートレックは、半世紀も続くテレビシリーズなので、辻褄が合わない事ってあるよね?っというスタンスでした。

シーズン1で不満だったのは、スタートレックの世界観を、並行世界を描きすぎることでぶち壊しにした事と、クリンゴンがぶっさいくになり、共感出来ない不気味さを持った種族に成り下がった事と、主人公に好きになれる要素がないことでした。

ストーリー

メインストーリーは、宇宙全域に散らばって7つの赤いシグナルが発生し、シグナルを追いかけるうちにそれがエンジェルスーツを着たヒューマノイドだと分かり、それが実は死んだと思っていた主人公の実母だと思いきや、実は主人公だったという話。

この主人公の実母は、セクション31でタイムトラベルスーツを開発していて、クリンゴンに襲われた時に1000年未来に飛ばされてしまい、生きとし生けるものが死に絶えた世界を見て以来、その惨状を避けるべくタイムトラベルを繰り返すも成功しないまま未来に引き戻されてばかりだった。

セクション31が開発した脅威予測・管理システム「コントロール」が何十万年もの世界の情報が詰まった「スフィアデータ」を取り込む事で惨状が実現するため、なんとかスフィアデータを削除する方法を模索していた。

この「スフィアデータ」にも削除されたくないという意思が生まれており、キャパシティーが大きい母のタイムトラベルスーツにデータ転送して未来に送る案が出るも、失敗。

それでクリンゴンのタイムクリスタルを貰いにいって、主人公と有志のクルーを載せたディスカバリーごと未来へ転送した。

っと、いうのがメインストーリー。

しかし、ディスカバリーを未来へ転送する前にテラン皇帝が「コントロール」をせん滅していたので未来へ転送する意義が薄れていた気がするし、2つめのタイムトラベルスーツにデータを転送して主人公だけ未来に飛ばせばよいのでは?という疑問も。

念のため、安全を見てディスカバリーごと未来へ転送するのは、ありでしょうけど、何かがおかしい。何を見落としたのかな…

技術的な矛盾点

スポアドライブやホログラムなどの技術的な矛盾点もゴリ押し気味ではありますが、概ね解消しました。

世界観とは対照的に、技術的な齟齬は、気付いていても、気にならないタイプです。

その辺は「SFあるある」ですから。冷やかしで指摘するのは面白いかもしれませんが、大した問題じゃない気がします。

最初のスターフリートを描いた『エンタプライズ』の次の時代に属するにも関わらず、以降の時代のTOS、DS9、TNG、VOYには存在しない目を見張る技術が目白押しという摩訶不思議な状況を生んでいました。

『ディスカバリー』の時代設定を込み合ったスタートレック史の中にねじ込まず、過去作に対して未来だったら普通にいい作品といえる気がします。

物議を醸していた4点について、以下、一応、記録まで。

スポアドライブ

まず過去作のすべての移動速度を超えたスピードで移動する「スポアドライブ」を搭載するディスカバリーは、第2シリーズ前半で他の生命体への悪影響を描いた上で、1000年も未来にぶっ飛ばして、亡き者にします。

ついでに、(人気だったのか?)医師ヒューを異物として混入していたことにして蘇らせます。

シリーズ最後に大義の為に未来へ転送した後は、緘口令を敷く事で『エンタプライズ』を除く全てのシリーズ作品との矛盾を解消しました。

ゴリ押し。

但し、搭載されていたスポアドライブの技術とは直接の関係性はありませんから、スポアドライブまで口封じをする必要があったとは言えません。

ホロコミュニケーション

ホログラムでのコミュニケーションも、後の時代との齟齬でした。

『ネクストジェネレーション』、『ディープスペースナイン』、『ヴォヤジャー』では、主にホロスイートと呼ばれる特定のエリアで、レクリエーション用途で使用されていました。

特にデルタクワドラントにぶっ飛ばされた『ヴォヤジャー』のクルーメンバーにとっては、はるか遠く離れて帰れるかもわからないアルファクワドラントの故郷を疑似体験させてくれる心の拠り所的な存在でした。

その特別な技術がディスカバリーでは当たり前のごとく通信に使われていました。

ホログラムは、プログラムを組んで再生させるものですが、ディスカバリーで通信に使っていたものは、ただのプロジェクターのような時もあれば、ホログラムのように相手の部屋に座ったりできる時もあったように記憶しています。

どんな設定なのかに興味はありましたが、さほど気に留めていませんでした。

シーズン2の後半でこの技術が禁止されたのを見て、ファンから苦情でも出たのかな?っと思い当たったものの、「コントロールが悪用したから」というのは、理由として苦しいです。

オレオレ詐偽が流行っているから、日本では固定電話を禁止技術にしました!って言っているみたいな感じですから。

改造人間

個人的に私が気になっていたのは、改造人間エリアムでした。このロボ的な人は第1シリーズではほとんど語られなかったので、中が人間だと知ったのは、彼女が死ぬ回です。

時代的には2つ後の『ネクストジェネレーション』ではじめての人造人間「データ」が作られており、これは人間を模したロボです。意志を持っているので、人権を認められた初めてのロボです。

いくら『ディスカバリー』でも、流石にそこまで正史を踏みにじらないだろう…っと、エリアムは完全ロボじゃないだろうと想定していました。

それと同時に、「人間の改良」は、これまでのシリーズではいい風に描かれていませんでしたので、これもないだろうと思っていました。

未来の人間は、どんな姿にもなれるから、逆に「ありのまま」の姿でありたい文化だと、ハゲてるキャプテンピカードが、言っていた気がします。

このため、このロボ的存在に興味津々でした。

新しいタイプの宇宙人?、ロボ的に見えるのは、甲殻類の殻みたいな?っと、わくわく。

しかし、普通に改造人間でした!

「事故で仕方なしに」のニュアンスだったので、それは『ネクストジェネレーション』のジョルディ的な扱いですね。

ジョルディは、盲目で、特別なバイザーをつけています。完全に直す技術もある(か、もしくは見つかった)のですが、彼はバイザーのままを選びます。

他のシリーズでは、こういう特殊キャラは早くから紹介されるのですが、第2シリーズの後半まで引っ張って、ようやく紹介された回に退場するとは、予想外でした。

セクション31

セクション31は、プライムディレクティブ(惑星連合の法律=惑星憲章?)31章を拡大解釈してできた惑星連合の秘密組織です。

『ディープスペースナイン』のDr.バシアが立ち向かおうとして敗北したり(彼もスカウトされていた)、『エンタプライズ』のマルコムが若い頃所属していた関係で巻き込まれたりと、チラホラエピソードが出ていますが、キャプテン・シスコやキャプテン・アーチャーも知らなかったような超極秘な秘密組織です。

第2シリーズは、このセクション31が開発を進めていた脅威予測・管理システム「Control」が世界を破滅させるのを防ぐため、セクション31が過去に開発を進めていた「タイムトラベルスーツ」を着た「レッドエンジェル」が残す7つの「レッドシグナル」の謎を解き明かすのがメインストーリーです。

下っ端のアッシュが「聞いたことある」というぐらい、セクション31が堂々とした組織で、驚きます。

セクション31のリーダー格のキャプテンリーランドは、セクション31独特の正義感を持っているだけで、キャプテンパイクの部下の死を悼んだり、マイケルにお母さんのことを隠していたことをちゃんと謝ったり、普通に人間的な存在だったので、コントロールに取り込まれた後、人間の意思を取り戻さないまま終わったのが残念です。

テラン元皇帝のジョルジオーさん、人体改造を受けてクリンゴン人Voqを内蔵したアッシュなど、「スターフリート」としては扱いにくい人が見事にフィットしていて、素晴らしい。

大きく目立った矛盾点は、以上の4つかな。

キャラクターの個性

第2シリーズでは、ほとんど描かれなかったサブキャラが活き活きしていました。いまだに何者か全然わからない人も残っていますケド。

特徴としては、第2シリーズで参加した、キャプテンパイク、ジェット・レノ、スポックが凄くいいキャラで個性も伝わって来たこと。

新キャラのエンジニア長のジェット・レノに関してはめちゃめちゃ好きなのですが、各話のレビューが長文になり過ぎてあまり書ききれなかった人です。

第1シリーズからの既存キャラだと、ケルピアン人のサルー、黄泉から戻った医師のヒュー、マッド気味サイエンティストのスタメッツ、ドジっ子天才系のティリー、テラン元皇帝のジョルジオーも個性を深掘りしてもらえてよかったです。

残りのブリッジクルーは地味なまま…

ドンマイ。めげずに頑張って!

主人公が嫌いだった

残念ながら、主人公のワガママっぷりがどんどん酷くなって、どうも好きになれませんでした。孤児になったあとスポックの姉としてバルカンで育てられたという設定なのですが、行動が感情的で行き当たりばったりでした。

スタートレックのキャビンクルーは、みんな個性的で癖があるけど、ずっと見ているとなんか好きになる人間的な魅力があるものなのですが、いいところが探せないです。

懐古厨のホンネ

第13話でキャプテンパイクが、「We are starfleet.」っと言うのですが、それがとても嬉しくてたまりませんでした。

日頃の行いがいいキャプテンパイクが言うと、感慨深いな~。っとしんみり。

マイケルもシリーズ1でよく言ってたのですが、言っていることとやっていることが違うんですよ。この方。(怒)

懐古厨の老害化しないように、シーズン1は、新しいスタートレックを受け入れていましたが、どんどん酷くなってた気がします。

シーズン2で新規にレギュラーメンバーとして加わったキャプテンパイクとスポックは、過去作の登場人物で、チート気味だと憤慨した時もあったのですが、 彼らが参加することによって、倫理的に昔ながらのスタートレックが戻って来てくれて本当に良かった。

これがあったからこそスムーズに軌道修正できたのかも…っと、今となっては有難い存在です。

映像が美しく、アクションもかっこよく(特にテラン皇帝)、サブキャラたちも素敵で、いい作品なんですけどね…

最後までお読みいただきありがとうございました。

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