スター・トレック:イントゥ・ダークネス、レビュー【後半ネタバレあり】

4.0

正史1982年の『スタートレック II: カーンの逆襲』のケルビンタイムライン版、リブート作品です。オリジナルがトレッキーに広く愛された作品だったので、懐古厨からボロクソに言われてますね。

まぁ、わかる。

JJエイブラムス作品は映像と作品のテンポは最高級なので、過去作を知らない人ほど楽しめる作品かな。

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基本情報

原題Star Trek: Into Darkness
邦題スター・トレック:イントゥ・ダークネス
タイプSF
公開日2013年5月16日
監督J・J・エイブラムス
脚本デイモン・リンデロフ
アレックス・カーツマン
ロベルト・オーチー
原作者デイモン・リンデロフ
アレックス・カーツマン
ロベルト・オーチー
おすすめ度4 (1~5点)

トレーラー

STAR TREK INTO DARKNESS – International Trailer – United Kingdom

あらすじ

2259年、ロンドンの情報保管庫が内部の人間によって爆破され、その首謀者である惑星連邦の影のスパイ組織Section 31の元メンバーであるジョン・ハリソンは、惑星連邦の宿敵クリンゴン帝国の首都クロノスに逃亡する。

パイク率いるエンタプライズ号クルーは、ハリソンを追って、危険なクロノスに乗り込む。

脚本、世界観

脚本は、めちゃくちゃなんだけど、面白いです。リブートの元ネタと新要素がいい塩梅で配分されていました。結末も変わっているので、前作を知っている人にも楽しめるような配慮が見受けられるんですが、マニア目線では受け入れられない論理破綻があって、裏目に出たみたいですね。

世界観はドラマ版のオリジナルシリーズよりはダークであるものの、映画版の『カーンの逆襲』よりは敵役カーンが魅力的に描かれていました。

登場人物

名作『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチが敵役カーンを演じていたのですが、元カーンを知らなければ、個性際立つカッコイイ役作りがされていました。変なアクセントのやたらゆっくりな英語が気持ち悪いケド…

エンタプライズ号の主要メンバーは、前作に続き、豪華俳優勢ぞろいです。ホント、贅沢。

アクション、笑い

JJエイブラムスのスター・トレックは、アクション色が強く、テンポがよくて良いんだけど、キャラに適した役割分担はしっかりした方がいいと思う。うん。

笑いは、スコッティ一人じゃ、キビシイかな。

映像美

この映画は映像美を堪能するために見るものと言っても過言ではないぐらい美しい!

音楽

音楽は、アレンジが現代風で、トレック映画を見る時独特の古臭さが消えて、いい感じ。

以降、「感想」と「最後に」は、ネタバレ注意です。問題なければ続きをどうぞ。

感想

めちゃ宇宙人っぽい原住民と白地に朱色の幻想的な森、いかにも原始的な信仰を持つ部族と火山爆破からの惑星崩壊を防ぐべく、エンタプライズ号のクルー大活躍!

とても美しいオープニングでした。この原始的な宇宙人が今作のストーリーの中心になるのかと思って期待したのですが…

普段は惑星に上陸しないで軌道上で待っているスターシップが海の中に待期するという新鮮なシーンもありました。

オープニングは「カークがスポックの命を救った」という事実を作って、スポックに「スタートレックII」のテーマメッセージ「Need of many outweigh the needs of few.」と言わせるためだけの小芝居で残念。

まぁ、スターフリートの基本理念や登場人物の性格と人物相関をサッと説明できてていいのかも。

んで、お次は、子供を失いかけて悲嘆していたスター・フリートメンバーを助けると言って突如現れる主犯の胡散臭さを紹介するシーン。

それからしばらくは、カークの「イキリクソ野郎」ぶりとスポックの「融通が利かないクソ野郎」ぶりを延々と流されて、見てられない感じ。

正史カークはニヤけた男ではありましたが、少なくともドラマシリーズの時は惑星連邦の理念やスターフリートのルールのお見本タイプのリーダーでしたが、ケルビンカークは「若い時はやんちゃだった」だけのイヤな奴ですね。

そんなこんなしているうちに、子供を助けられたスターフリートメンバーが惑星連邦のデータ保管庫を爆破します。んで、あとからその場所がスターフリートのスパイ組織Section 31であることが説明されるのですが、この人がつけている「黒いバッジ」がSection 31のバッジなので、わかる人には初めから分かっちゃったというね。

データ保管庫の爆破に関するスターフリートの司令官会議の途中にカークは「司令官を一か所に集める」事こそが敵の狙いだと気が付くのですが、時遅く、やんちゃカークを見捨てずに辛抱強く庇ってくれたパイク提督を失います。

正史では、パイクと強い絆があったのはスポックの方なんですが、ケルビン史では前作でも本作でもカークと絆を結んじゃったんですよね。正史でのスポックとのエピソードは非常に美しかったので、ここでカークを失うのはちょっともったいない気がしましたが、仕方ないね。

スコッティの調べで、主犯のハリソンがクリンゴンのホームワールド、クロノスにワープしたことが分かります。地球からクロノスって大分遠いよ。その距離をワープできる技術があれば、スターシップって要らなくない?

兎も角も、Section 31(31 小隊)の所属だということがマーカス提督から語られます。Section 31に関わっている提督は大抵悪人ですし、「クリンゴンに検知されない新型魚雷でハリソンを抹殺せよ」なんて、おおよそスターフリートの理念からかけ離れた命令を出すなんて、なんだか匂います。

エンタプライズ号へ移動するシャトルの中で堅物スポックから命令の不振さを指摘されるものの、復讐心に燃えるパイクは聞きたくない様子で、美人科学仕官に気をとられます。このひと、第一作でもキャビンにいたよネ。転属とか不要じゃ?

怪しげな魚雷を搭載する事に抵抗し署名を拒否するスコットと口論になりますが、復讐に燃えたカークはいらだち辞職申請を承認してしまい、スコッティがまさかの下船。えーーーーー。

これが今作で一番驚きました。ホントに降りちゃった。

ヘルムのチェコフをエンジニアリングに充てて、ゴリ押しで出発!

でも、スコッティの辞職で懲りたのか、スポックの助言を受け入れ、マーカス提督の「新兵器で暗殺」命令ではなく、小数人で乗り込んで逮捕という方針にした模様。

そこでワープが不調で船が止まってしますが、修理はチェコフに、キャプテンはスールーに任せて、シャトルに乗り込みますが、スポック&ウフーラカップルが喧嘩をはじめます。この喧嘩、いる?

正史では、上品で性格が良さそうだったウフーラが、ケルビン史ではガミガミうるさい勝気でイヤな女になったのは残念ですね。

そこでスポックはパイクが亡くなる前に見たビジョンの話と(前作の復習で)自身の故郷のバルカン星が崩壊した際の事を重ねて心情を語ります。パイクの最後はもっと美しいものにして欲しかったな。

唯一クリンゴン語で会話ができるウフーラが交渉に出ます。

クリンゴン、ロミュラン、カーダシアンの3種族は、惑星連邦と比肩する巨大勢力なので、最初のエンタプライズ号のアーチャー艦長の時代から翻訳が開始され、ユニバーサルトランスレーターで対応していないワケがないよね。壊れたの?

そこで仮面を取ったケルビンクリンゴンのブサイクさに超ショック!

『ディスカバリー』の時にも相当ブーイングが起きてましたが、クリンゴンは、人気種族なのに、かなりやらかしちゃってますね。誇り高い戦闘種族なので野蛮なのはOKですが、キモブサなのはNGです。

啖呵きって出て行ったウフーラは直ぐに危機に陥り、突如現れたハリソンが凄まじい立ち回りでクリンゴンたちをせん滅。ところが新型魚雷の数が72機だと知った後は、すんなり投降する。怪しすぎ。

カークは恨みをこらえきれず、ハリソンになんども殴り掛かりますが、ハリソンはびくともしません。何者?って感じですよね。超人です。

捕まったハリソンは、もったいぶってマーカス提督のたくらみについてヒントを与えます。

正史のカークは、どんな人かをよく知らなくて、ユートピアの未来人ならではのナイーブさで、カーンをいい人であると信じて、手放しで協力しますが、ケルビンカークにとっては親の仇状態。普段の素行が悪すぎて、カークに共感できませぬ。

カーンのもったいぶったヒントを元に、バーでやさぐれているスコットに偵察を頼みます。スコットがぷりぷり怒ってるのが、なんだかカワイイ。

再度登場、下着美女、キャロル・マーカス博士。今作では、マーカス提督の娘であり、武器の専門家。プロモにセクシーシーンをちらつかせるための、金髪美女ですが、正史では、カークとの間に男の子をもうけた惑星再生ジェネシスプロジェクトの首席博士でした。

この下着美女が「友達」だと言っていた、クリスティーン・チャペルは、正史でボーンズの首席看護師だった女性で、スポックを慕っており、スター・トレック原作者のジーン・ロッデンベリーの奥さんが演じていた役です。

マーカス博士とボーンズは、マーカス提督から預かった新兵器を解体すると、冷凍保管されたカーンの仲間を発見します。カーンはこの仲間を取り返すために画策していたんです。でも、仲間を取り返えす前にクロノスに逃げた理由は、よくわかりませんでした。

もったいぶって自分の名前が「カーン」であることを明らかにした後、遺伝子操作によって作り出された超人類であるカーンとそのクルーは、戦力として不要になったら戦争犯罪者としてコールドスリープ装置に入れられて宇宙に放り出された。マーカスは、カーンのクルーを人質にその超人を利用した。

カーンはクルーを取り戻すため隙を見て魚雷の中にクルーを隠したが、マーカスに見つかってしまい、反撃としてSection 31を爆破して、スターフリートの幹部会議を襲撃した…

うーん。どうなったら、そういう発想になるのか?

頭、良さそうに見えないけど…

ワープが不調のまま、マーカス提督率いる、Section 31のスターシップと対峙します。マーカス提督との対話の中でカーンが言っていたことは概ね正しいことが分かった後、カークはカーンとそのクルーを地球に戻す事を決め、地球へ向けてワープを開始します。

カークはこの時だけ、パイク提督の出発時の決め台詞「Punch it」を使います。ちなみには正史のカークの「Take us out」を使っていました。

ところが、ワープ中にも攻撃を行えるSection 31の船に攻撃され、またも窮地に立たされます。娘のマーカス博士がなんとか説得しようと試みますが、強制的にワープさせられて、あっさりいなくなります。

ところで言葉の訛りが、超アメリカ人の父に、超イギリス人の娘。ほんとに一緒に暮らしてたんでしょうかね?

娘を回収したマーカスは、エンタプライズ号をぶっ潰すべく、攻撃を開始しようとしたところで、ひそかに乗り込んでいたスコットに妨害されます。

マーカスの船に乗り込む計画にカーンの協力を取り付けるため「キミのクルーの命を保証しよう。」と提案し、「キミ、自分のクルーの命も守れないのに何言ってんの?」と言い返されちゃいます。

爆笑。

なんだかだで、二人はエンタプライズ号を飛び出し、スコッティ―の誘導の通り、カーゴ倉庫に飛び込みます。なんていうか、あんなに巨大な倉庫の入り口があんなに小さいのおかしくない?

それって正規の入り口じゃないの?

窮地に陥ったスポックは、前作で正史タイムラインからタイムトラベルしてきた老スポックを呼び出して知恵を授かります。でもね、老スポックの知恵、状況が違いすぎて役に立たないハズだし、アドバイスがどんなふうに役立ったか、わかんなかったよ。

「バルカン人はウソをつかない」とか言いながら、ウソをつくとこかな?

カーンのクルーとカーク&スコッティ―&マーカス博士の人質交換した後、ボーンズに作らせた本物の魚雷を爆破させてカーンを攻撃。

しかしその前のカーンの攻撃で自爆しそうになっているエンタプライズ号を修理する為、カークは高放射線エリアで作業を行い、殉職します。

「カーーーーーーーン」

怒りに震え、叫ぶスポック。

これは正史では、スポックが殉職し、カークが「カーーーーーーーーーン」だったんですが、逆になってますね。

キレて、惑星連邦のサンフランシスコ本部に向かうカーンと追いかけるエンタプライズ号。

そこからは、もう目が当てられません。地球についたら序盤のカークのごとく感情に押し流されたスポックが、肉弾戦でカークを倒そうとします。

頭悪いでしょ。それ、効かない設定なんだから。

彼氏のピンチを救うべく、彼女のウフーラがテレポートし、フェイザーでカーンをひるませ、カーンにとどめを指そうとするスポックに、「こいつの血がカークを生き返らせるのに必要なのよ。」っと制止します。

いやいや。もう設定がハチャメチャでヒドイよ。

死んだトリブル(フカフカした生き物)にカークの血小板かなんかを注入したら生き返ったなら、そのトリブルの血小板をカークに注入すればいいじゃない…

それとは関係なく、カーンは逮捕にしときなさいよ。

ところで、このトリブル、正史では、どんどん自己増殖してクリンゴン帝国の作物を食べ尽くしてしまって、クリンゴン帝国では禁止動物とされている脅威の生物なんです。ファンサービスとしてあちこちに登場します。

兎も角も、カーンの輸血でカークは生き返り、めでたしめでたし。

って、本人の同意もなしに強制的に輸血させたのかな、ひどい話だよね…

Please take me out from the Kelvin timeline…

最後に

過去作を知らなければ、名作。

過去作を知っていれば、駄作じゃないケド、精神的に苦痛。

両極端な凄まじい映画でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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