『スタートレック: ディスカバリー』のシーズン2が終わりましたので、総合レビューに仕立て直しました。過去キャラ、スターフリートの世界観が戻ってきて、シーズン1でしょぼーんとなった懐古厨にとっては大歓喜の仕上がりでした。

過去作、本作のネタバレを含みますので、ご注意ください。

今シーズン、私が楽しみにしていたのは、Mr.スポックの登場!これまでひた隠しにしてきた妹マイケルとどう絡んでいくのか、興味深々でしたが、最終話で見事その謎が解けました。

本記事に書き足してきた各話のレビューは記事が長文化したので、個別記事に分けました。↓のボタンより記事一覧へ

正史との齟齬を解消するためのシリーズ

シーズン2を振り返ると、シーズン1でめちゃくちゃにしたスタートレックの正史を軌道に戻す為に存在した気がします。

個人的には『ディスカバリー』が過去作の設定を無視してストーリーを作ることは好きではなかったものの、スタートレックは、半世紀も続くテレビシリーズなので、辻褄が合わない事ってあるよね?っというスタンスでした。

シーズン1で不満だったのは、スタートレックの世界観を、並行世界を描きすぎることでぶち壊しにした事と、クリンゴンがぶっさいくになり、共感出来ない不気味さを持った種族に成り下がった事でした。

シーズン2が終わって、シーズン1の正史への不敬部分があらかた回収されてみると、やっぱりこっちが好きだなと…

懐古厨のホンネ

懐古厨の老害化しないように、シーズン1は、新しいスタートレックを受け入れていました。

第13話でキャプテンパイクが、「We are starfleet.」っと言うのですが、それがとても嬉しくてたまりませんでした。

マイケルもシリーズ1でよく言ってたのですが、言っていることとやっていることが違うんですよ。この方。(怒)

日頃の行いがいいキャプテンパイクが言うと、感慨深いな~。っとしんみり。

シーズン2で新規にレギュラーメンバーとして加わったキャプテンパイクとスポックは、過去作の登場人物です。

スポックやキャプテンパイクの登場や過去の逸話との関連付けは、チート気味だと憤慨した時もあったのですが、 彼らが参加することによって、倫理的・精神的な意味でのスタートレックが戻って来てくれて本当に良かった。

これがあったからこそスムーズに軌道修正できたのかも…っと今となっては有難い存在です。

技術的な矛盾点

スポアドライブやホログラムなどの技術的な矛盾点もゴリ押し気味ではありますが、概ね解消しました。

世界観とは対照的に、技術的な齟齬は、気付いていても、気にならないタイプです。

その辺は「SFあるある」ですから。冷やかしで指摘するのは面白いかもしれませんが、大した問題じゃない気がします。

『ディスカバリー』の時代設定を込み合ったスタートレック史の中にねじ込まず、過去作に対して未来だったら普通にいい作品といえる気がします。

最初のスターフリートを描いた『エンタプライズ』の次の時代に属するにも関わらず、以降の時代のスターフリートが、今作に出てくる目を見張る新技術を全く使っていないという摩訶不思議な状況を生んでいました。

スポアドライブ

まず過去作のすべての移動速度を超えたスピードで移動する「スポアドライブ」を搭載するディスカバリーは、第2シリーズ前半で他の生命体への悪影響を描いた上、異物として混入していた医師ヒューを蘇らせます。

そして、シリーズ最後に大義の為に未来へ転送し、緘口令を敷く事で『エンタプライズ』を除く全てのシリーズ作品との矛盾を解消しました。

大儀とは、セクション31が開発した脅威予測・管理システム「コントロール」が何十万年もの世界の情報が詰まった「スフィアデータ」を取り込む事で、生きとし生きるものが滅亡に追い込まれるのを防ぐためです。

この「スフィアデータ」にも削除されたくないという意思が生まれており、それがディスカバリーに居ついてしまった為、未来へ転送するという解決策が提案されました。

「コントロール」の脅威がひと通りの収束を見せたので、未来へ転送する意義が薄れ、なおかつ2つめのタイムトラベルスーツにデータを転送し直せば良いという代替案もありそうなところですが、安全を見てディスカバリーごと未来へ転送するのは、ありでしょう。

但し、搭載されていたスポアドライブの技術とこれらには直接の関係性はありませんから、スポアドライブまで口封じをする必要があったとは言えません。

だからストーリーの前半の他の生命体への悪影響が存在するのかな?って感じです。

それか、私がなにかを見落としているか…

ホロコミュニケーション

ホログラムでのコミュニケーションも、細かいところではあるものの、後の時代との齟齬でした。

『ネクストジェネレーション』、『ディープスペースナイン』、『ヴォヤジャー』では、主にホロスイートと呼ばれる特定のエリアで、レクリエーション用途で使用されていました。

特にγクワドラントにぶっ飛ばされた『ヴォヤジャー』では、はるか遠く離れて帰れるかもわからないαクワドラントの故郷を疑似体験させてくれる心の拠り所的な存在でした。

その特別な技術がディスカバリーでは当たり前のごとく通信に使われていました。

ホログラムは、プログラムを組んで再生させるものですが、ディスカバリーで通信に使っていたものは、ただのプロジェクターのような時もあれば、ホログラムのように相手の部屋に座ったりできる時もあったように記憶しています。

どんな設定なのかに興味はありましたが、さほど気に留めていませんでした。

シーズン2の後半でこの技術が禁止されたのを見て、ファンから苦情でも出たのかな?っと思い当たったものの、「コントロールが悪用したから」というのは、理由として苦しいです。

オレオレ詐偽が流行っているから、日本では固定電話を禁止技術にしました!って言っているみたいな感じですから。

改造人間

個人的に私が気になっていたのは、改造人間エリアムでした。このロボ的な人は第1シリーズではほとんど語られなかったので、中が人間だと知ったのは、彼女が死ぬ回です。

時代的には2つ後の『ネクストジェネレーション』ではじめての人造人間「データ」が作られており、これは人間を模したロボです。意志を持っているので、人権を認められた初めてのロボです。

いくら『ディスカバリー』でも、流石にそこまで正史を踏みにじらないだろう…っと、エリアムは完全ロボじゃないだろうと想定していました。

それと同時に、「人間の改良」は、これまでのシリーズではいい風に描かれていませんでしたので、これもないだろうと思っていました。

未来の人間は、どんな姿にもなれるから、逆に「ありのまま」の姿でありたい文化だと、ハゲてるキャプテンピカードが、言っていた気がします。

このため、このロボ的存在に興味津々でした。

新しいタイプの宇宙人?、ロボ的に見えるのは、甲殻類の殻みたいな?っと、わくわく。

しかし、普通に改造人間でした!

「事故で仕方なしに」のニュアンスだったので、それは『ネクストジェネレーション』のジョルディ的な扱いですね。

ジョルディは、盲目で、特別なバイザーをつけています。完全に直す技術もある(か、もしくは見つかった)のですが、彼はバイザーのままを選びます。

他のシリーズでは、こういう特殊キャラは早くから紹介されるのですが、第2シリーズの後半まで引っ張って、更に紹介された回に退場するとは、予想外でした。

これも、アレですか?、不満が出たとか??

セクション31

セクション31は、「技術」ではなく、「組織」なのですが、これは、そもそもスターフリートの影の存在でしたので、多少倫理観が微妙でも、いいかな?っという事で、こっちに書きます。

セクション31は、プライムディレクティブ(惑星連合の法律=惑星憲章?)31章を拡大解釈してできた惑星連合の秘密組織です。

『ディープスペースナイン』のDr.バシアが立ち向かおうとして敗北したり(彼もスカウトされていた)、『エンタプライズ』のマルコムが若い頃所属していた関係で巻き込まれたりと、チラホラエピソードが出ていますが、キャプテン・シスコやキャプテン・アーチャーも知らなかったような超極秘な秘密組織です。

第1シリーズでやらかしたライター陣の後処理まで幅広く活動していて驚きですww

第2シリーズは、このセクション31が開発を進めていた脅威予測・管理システム「Control」が世界を破滅させるのを防ぐために奮闘する、セクション31が過去に開発を進めていた「タイムトラベルスーツ」を着た「レッドエンジェル」が残す7つの「レッドシグナル」の謎を解き明かすのがメインストーリーです。

セクション31、めっちゃ都合がよい存在ですね。

残念なのが、ボーグの前身(?)のような、キャプテンリーランドは、セクション31独特の正義感を持っているだけで、キャプテンパイクの部下の死を悼んだり、マイケルにお母さんのことを隠していたことをちゃんと謝ったり、普通に人間的な存在だったので、最後の一矢も報いない終わりが少々切ないです。

テラン元皇帝のジョルジオーさんや不気味なクリンゴンの人体改造を受けてクリンゴン人Voqを内蔵したアッシュなど、「スターフリート」としては扱いにくい人が見事にフィットしていて、素晴らしい。

それでいて、第1シリーズのクリンゴンやテラン帝国のような眼をそむけたくなる気持ち悪いシーンが少な目で、好感が持てます。

キャラクターの個性

第2シリーズでは、ほとんど描かれなかったサブキャラが活き活きしていました。いまだに何者か全然わからない人もいますケドね。

特徴としては、第2シリーズで参加した、キャプテンパイク、ジェット・レノ、スポックが凄くいいキャラで個性も伝わって来たこと。

新キャラのジェット・レノに関してはめちゃめちゃ好きなのですが、各話のレビューが長文すぎてねじ込めませんでした。余裕があったら、人物紹介記事を書きたいです。

第1シリーズからの既存キャラだと、ケルピアン人のサルー、黄泉から戻った医師のヒュー、マッド気味サイエンティストのスタメッツ、ドジっ子天才系のティリー、テラン元皇帝のジョルジオーも個性を深掘りしてもらえてよかったです。

残りのブリッジクルーは地味なまま…

ドンマイ。めげずに頑張って!

残る疑問

私の勝手なイメージでは、第2シリーズは第1シリーズの後始末をするためにストーリーが作られたように見えます。

ここで疑問が湧きあがります。この2つのシリーズは、元々セットで書かれたのか?

そうだとすると、『ディスカバリー』のライター、本当に凄い!!!!

第一シリーズの残虐性と過去作へを踏みにじりまくって既存のファンを失望の底へ落とした後、喜ばせるという凄まじい手腕を発揮しております。

キャプテンパイク、スポックの描かれ方、テラン皇帝へのコミカル化などを見て、第2シリーズの後半には、ライター陣に対し、安心感・信頼感が生まれておりました。

不思議です。

水戸黄門と懐古厨

昔、祖母が水戸黄門の登場人物や世界観についてとても詳しいのに驚いたことがあります。

大ファンって感じじゃなく、ただ見ているだけっぽいのに。

私のスタートレックも、同じかも。

長期の海外生活で「身近にあったから見てただけ」なのに第2シリーズに入って、昔ながらのスタートレックに近づくにつれ、どんどん嬉しくなっていきました。

時代劇である「水戸黄門」とは違い、「スタートレック」はスペースオペラ。古臭い価値感じゃ、新しいファンは獲得できず、ビジネスが成り立たないのかもしれません。

懐古厨はほどほどにしないとダメだよねと、自分を戒めつつも、「昔ながら」に歓喜してしまうシリーズ2でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

投稿者: のろのろ

ブログのカスタマイズをしては、備忘録を書いています。2017年4月にワードプレスデビューし、試行錯誤しながら寝落ちする感じのへなちょこブロガーです。

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